東京国体で薙刀観戦
「2020年東京オリンピック開催決定」のニュースも記憶に新しい中、2013年9月28日から10月8日までの日程で東京国体が開幕した。終戦の翌年、1946年の第1回から数えて今年で68回目の国体、東京オリンピックが56年ぶりなら、東京国体は1959年以来、54年ぶりである。
開催する都道府県らしさを象徴する言葉を冠して「○○国体」という愛称をつけるのが近年の傾向だが、今回の東京国体は、第13回全国障害者スポーツ大会とあわせて「スポーツ祭東京2013」と称し、「国体」のイメージが弱められているのが面白い(来年以降は、また○○国体という名前が予定されている)。
競技会場は東京都全域に分散され、わが港区では唯一「なぎなた競技」が、JR田町駅近くの港区スポーツセンターで開催されていた。なぎなた(薙刀)は武士が台頭しはじめた時期には盛んに戦闘に使われたそうだが、江戸時代には武家の子女の護身用の武器となり、技能修得がたしなみとなっていった。そんな経緯があって、現在も競技者は女性が中心である。今年のNHK大河ドラマ「八重の桜」では、綾瀬はるかと黒木メイサによる薙刀の稽古シーンがあり、その記憶もあって足を運んだ次第。観戦したのは防具をつけて打ち合う試合競技で(防具をつけずに「技」の洗練度を競う演技競技もある)、まだ技能も発展途上の高校生の試合ではあったが、剣道よりもダイナミックに見える攻防は十分に見ごたえがあった。
競技だけでなく、会場前で開催されていた「お・も・て・な・し」のイベントも盛況だった。抹茶とお菓子のサービス、東日本大震災復興支援物産展、大会関連グッズのコーナー、さらにはNHK発祥の地(愛宕山)であり在京キー局がすべて本拠を置いている港区ならではの企画として各テレビ局のブースも賑わいを見せ、話題の「倍返し饅頭」などは早々に売り切れていた。国体の楽しみって、こんなところにもあるのか、と再発見。なぎなたを題材にした漫画、こざき亜衣さんの「あさひなぐ」のキャラクターをデザインしたパンフレットなども新鮮であった。
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