3Dの
沖縄美ら海水族館
2010年7月某日、銀座ソニービルで8月31日まで開催中の「43rd Sony Aquarium」を訪れた。1966年のオープン以来、夏の恒例となったビル内水族館は、2007年からは「沖縄美ら海(ちゅらうみ)水族館」とコラボレート、水槽展示と、サンゴ礁の海を感じる数々の企画が用意されている。
今年の特徴は「3D」で、8階のシアターでは、美ら海水族館の水槽内で撮影された3D映像をスクリーンで見る。ジンベイザメが前の席の人の頭をとって食いそうに感じたり、魚群が目の前で一斉に方向転換をするのが楽しい。ただしこのシアターは昨年も3Dで上映していて、今年の特徴は、2階から3階にかけての3DTVによる「美ら海3Dアドベンチャー」であった。「ブラビア」で3本の3D映像をメガネを手に見て回る趣向で、ソニービル本来のショウルームとしての役割を果たしている。初めて体験した3DTVは、たしかにTV画面と自分の間の空間に魚が泳いでいてように感じるし、画面の奥に向けて広がるサンゴの立体感もあった。海の中という素材は3D向きなのだろう。しかし3DTVが欲しくなったかというと、そうでもなかった。各TV映像は3分程度、シアターは9分ほどだったが、3D映像はそのくらいが限度という感じで、最初は物珍しいが、立体感に気をとられて映像が普通に見られない。10分も見ていれば脱落しそうだ。
いっぽう、3Dを体験したあと1階に戻り水槽を見ると、サンゴの水槽を周回する信じがたいほど色鮮やかな魚たちやウミヘビ、数寄屋橋交差点に面した大水槽を泳ぐエイやサメやウツボ、群れで泳ぐ熱帯魚など、もう、何分見ていても飽きることがない。夏休みの子供たちからご老人まで多くの人が、水槽の前に立ち尽くし、いつまでも眺めていた。同じ3次元でも、映像と本物の違いを改めて実感させられた。
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