ご当地パン、大集合
「家庭用パン焼き機」が売れているという話題を、どこかの情報番組で流していた。人気のあるパンやベーカリーを特集する雑誌などの企画も多く、パン好きの方が多いことの反映であろう。そうした中、2011年9月23日秋分の日、JR有楽町駅そばの東京国際フォーラムで「全日本パンフェスティバル」が開催され、結構な人出で賑わっていた。
目玉の企画は、昨年に続く2回目の「日本全国ご当地パン祭り」。ご当地の食材などを使った各地の人気商品52品が大集合した。これだけの商品を1カ所で目にし、試食や実際に購入して味わうことができるのだから貴重な機会である。当然初めての出会いが多いだろうし、久しぶりの故郷の味との再会という人も楽しいに違いない。
会場で販売するパンには商品番号シールが付いていて(写真上右)、おいしいと思ったら、それをボードに貼って人気投票をする仕組みになっているが、これはちょっと苦しい。そもそも52種類全部を購入することは考えにくく、まずネーミングやプレゼン能力が問われる。そこで興味を引いて初めて購入、次に味だが、どこも作ってから長時間を経た商品だろうから、店で販売するレベルの味は出せない。電子レンジなどで加温もできない。いくつか実際に食べてみたが、特に惣菜系のパンは厳しく、正直言って、おいしいという実感はない。この程度のものかと思われ、「逆PR効果」にならないかと心配になってしまった。
主催者は全国の小規模な製パン業者が加盟する全日本パン協同組合連合会だが、大手製パン企業が加盟する(財)日本パン工業会も共催し、各社が地下会場にブースを設けてPRしていた。特に「ランチパック」のご当地商品30種類以上を中心に展示した山崎製パンの企画は、「ご当地パン祭り」とも連動していて興味を引いた(写真下右)。その他、地下会場では親子パン作り教室やベーカリーシェフの実演コーナーも大勢の人を集めていた。
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