都心で親しむ庭づくり
2009年10月24日から11月1日まで「日比谷公園ガーデニングショー」が開催された(写真上)。造園関連業界が主体になった催しだが、都市景観づくりや温暖化対策として緑化に力を入れる東京都や公益法人などが支援しており、公園内にある「緑と水の市民カレッジ」でも関連講座が開かれていた。この催しは日比谷公園が開園100周年を迎えた平成15年(2003)に始まったもので、今年で7回目を数える。第6回目となる「丸の内仲通りガーデニングショー」が同時開催されており、さらに今年は「日比谷パティオ」でもトピアリー(植物で動物などを形作るもの)を中心とした展示が行われるなど(写真中)、地域一帯で花と緑に親しむライフスタイルを提案していた。特に丸の内仲通り(写真下)では、マンションのベランダでも展開可能なサイズのガーデニング作品や、ビルの背景を意識したハンギングバスケット作品が計画的に舗道に飾られ、洗練された街並みにいっそうアーチスティックな味わいを加えていたのが印象的だった。
民間調査会社の矢野経済研究所によれば、ガーデニング市場はしばらく減少傾向にあったが、2009年は食の安全・安心への関心の高まりもあって家庭菜園の分野が伸び若干拡大するとのこと。さて、どうか。緑を増やすことは、地表の温度を下げCO2を減らし地球温暖化防止に役立つ意味でも望ましい。だがガーデニングに関心が高いのは中高年層が中心で、なかなか若年層には広まらないようだ。それは使えるお金や時間の問題だけでなく、住宅事情もあろう。私も集合住宅に住み、ガーデニングなどといったものではないがベランダにいくつかのプランターを置き、気が向くと1つ100円くらいの花苗を買ってきて植えることがある。時々水をやるだけで3カ月、4カ月と咲き続ける花もあり、結構気分を癒してくれる。ただ、要らなくなったもの、とりわけ「土」をどう処分するかは悩みの種である。つまり「緑」はよいが「廃棄物」の処理が困る、これも案外、市場拡大のネックなのではないかと思うのだ。
CONTENTS