日比谷公園110周年
明治36年(1903)に開園した日比谷公園が今年2013年6月1日、110周年を迎えた。日本初の洋風近代公園といわれるが、あくまでも「洋風」であって、心字池などに代表される和風の造園技術も活用され、和洋がうまく調和しているのが特徴といえる。面積は東京ドーム約3.5個分、道路の拡幅工事等で開園当初から若干削られてはいるものの、急速な近代化と経済成長の中、都心の一等地でこれだけのまとまった土地が公園として維持され、豊かな緑の空間を形成してきたのは奇跡に近いという人もいる。
その日比谷公園で、6月1日・2日の両日、公園の管理者である公益財団法人東京都公園協会が主催する開園110周年イベントが開催された。当日は、かつて園内を馬車道が走っていたことに因んだ馬車の運行、記念コンサート、園内のさまざなまモニュメントをたどりながら公園の歴史にふれるガイドツアー、日比谷公園でロケが行われた木下恵介監督の懐かしいテレビドラマの上映会などのプログラムが来場者を楽しませた。そして日が暮れると今年で3年目となるキャンドル・イベント「日比谷アカリテラス」が始まり、一番の賑わいをみせた。全体としては静かなイベントで、梅雨の中休みの少しひんやりとした空気の中、都会にいながら豊かな自然を楽しめる幸せについて考えさせられる良い機会であった。蛇足ながら、当日は日比谷図書文化館(かつての日比谷図書館)のカフェでコーヒーが110円の記念価格で提供され(写真下右)、ちょっぴりおトクにカルチャーなひと時を過ごせたのもラッキーであった。
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