お江戸日本橋の賑わい
2011年10月30日の日曜日、現在の日本橋が架けられて100周年を祝う「日本橋架橋100年祭」が開催された。本来は4月3日の架橋記念日に合わせて行われるはずだったが、東日本大震災の発生で中止となり、改めて企画されたものという。ちょうど毎年この時期には「日本橋・京橋まつり」があり、「大江戸活粋(かっき)パレード」と銘打って、さまざまな楽団や舞踊グループなどのパレードが華やかに繰り広げられる。今回は、そのイベントとの合同開催となり、さらに「中央区まるごとミュージアム」の実施日とも重なって、日本橋界隈は大変な人出となった。
まず、江戸の舟運の隆盛を再現するという意図で、今年新設された日本橋船着場に当時の装いの和船が10隻余り集結して行われたセレモニーがイベントを盛り上げた(写真上)。パレードには、その舟で登場した川越藩火縄銃鉄砲隊をはじめ、東北の被災地からも震災復興を祈念して岩手県金津流鹿踊り、福島県相馬野馬追騎馬武者、宮城県仙台すずめ踊りなど、多数の伝統的な民俗芸能が参加、さらに地元から日枝神社や神田明神の氏子町会による神輿や山車の行列が加わった。異なる季節に行われる全国各地の祭りを一度に楽しめるような贅沢な内容に、ただただ感銘。全国の名産品を集めた「諸国往来市」(写真下)も大賑わいで、私も岡山県のひるぜん焼そばや、静岡おでん、栃木県宇都宮のみそ餃子などを次々はしごして、ついついカロリーオーバーになってしまった。日本全国から人や物が集まった、往時の「お江戸日本橋」の賑わいが伝わってくるような、見事なイベントであった。
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