無料のバスと船で
楽しむ小さな旅
2010年10月31日、前年に続いて「中央区まるごとミュージアム」というイベントが開催された。文化の秋に、中央区の名所、文化施設、催し等に親しみ、理解を深めてもらおうというものだが、中でもバスや船に無料で乗れる企画が嬉しい。
まずは常盤橋防災船着場から日本橋の下をくぐって戻ってくる往復約1.5km・10数分の日本橋川ミニクルーズに参加。運行を担当しガイドをしてくれたのは「神田川船の会」の関係者のようであった。前日は台風、本日も朝から時折小雨が舞う不安定な天気のためか、予想外に人出は鈍く、らくらく乗船。とまでは良かったが、何と日本橋はたまたま大がかりな清掃工事中でブルーシートに覆われたまま。首都高速の下に隠された名橋の姿を川から見上げるのを楽しみにしていたのに、う~ん残念(写真上)。
気を取り直して、常盤橋近くのバス停から、中央区が2009年12月に運行を開始したコミュニティバス「江戸バス」に乗車。ふだんは100円だがこの日は無料(他に無料の大型バスも別ルートで運行)。あちこちを回るので時間はかかるが、空いた車内でのんびり都心の風景を眺めながら終点の中央区役所へ(写真中)。そこから聖路加タワーにほど近い、明石町防災船着場まで歩く。今度は船で隅田川を下って勝鬨橋をくぐり抜け、晴海埠頭を回って晴海運河を上り、中央大橋の下を通過して明石町に戻る30分あまりのクルーズだ。乗船したのは東京都公園協会が運行する水上バスで、こちらもガイド付。2階デッキはちょっと小雨が冷たいが、橋の下をくぐり抜ける感覚が何とも楽しい(写真下)。隅田川の水上バスは毎日運航しているし、都心の川をクルージングするNPOなどの企画も増えている。しかし、無料で楽しめる機会はそう多くない。「中央区まるごとミュージアム」は実に内容が盛りだくさんだが、個人的には、この乗船イベントだけでも大満足である。
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